ポーランド ヨーロッパ

【旅コラム】ポーランド・ザコパネ近郊でペンション「Villa Akiko」を営む三和昭子さんを訪ねて

2024/06/16

今回ポーランドに訪れる際、ポーランドで日本人女性が和食でおもてなしをするペンションがあると知った。1992年から現在に至るまで、ペンション「Villa Akiko」を営む三和昭子さんを訪ね、話を伺う機会に恵まれた。

「Villa AKIKO」のオーナーで女将さんである三和さんは、1989年に初めてポーランドに訪れ、1990年にポーランド南部・ザコパネの北東30km、ゴルツエ山脈にあるハルクローヴァ村の上に横たわる山を散策中、偶然見つけた美しい斜面に魅了され、ここにペンションを建てようと決心。

訪れた場所が素敵だなぁと思ったとして、ここで暮らしてみたいというに思いに留まらず、その惚れ込んだ土地を買ってペンションを建てようという発想に至り、そしてすぐに行動に移したというのだからスゴイ。

三和さんが魅了された絶景が目の前に広がる

とはいえ、車はおろか人が通る道すらも整備されていない山の斜面。しかも遠い異国からやってきた日本人女性がゼロからペンションづくりをするなんて、それはもう想像し難いご苦労の連続だったに違いない。

「Villa Akiko」の女将、三和昭子さん

実際、資材を運ぶための道も木を切り出して引きずって持って来ていたため、粘土質の泥で出来た林道は1メートル半ほどの深さになってしまい、トラクターでも4輪駆動の車でも通れなくなり、石を入れる作業が必要になったそう。

ペンションを建てるために必要な砂、砂利、石、セメント、レンガ、木などの材料を不安定な林道を通して運ばなければならず、それらも三和さん自身で整備していたというのだから驚きだ。

ご苦労があった中でも地元のポーランドの人々の親切さや優しさにも助けられ、建築中には日本からお子さんたちが現地に順次駆けつけるなど、大変な時期を一緒に乗り切り、1991年に始めた建築も2年半かけて完成。


広大な敷地には四季折々の草木や花々、自家栽培の野菜も種類豊富で、三和さん自ら料理した日本スタイルの食事で味わうことができる。この手料理は、宿泊者の胃袋も見事にキャッチしている。


訪問した日には、お手製のケーキや自家製唐揚げや卵焼きなど、心の籠もったお弁当でおもてなしをして下さったのだが、ホッとする美味しさに箸が止まらなかった。

三和さんや次女ののぶさんが切り盛りされるペンション内は、寛げる部屋や宿泊者が集える食堂やサロンがあり、居心地の良い空間が広がる。初めて訪れたのにどこか懐かしさも感じるところも人気の秘密なのかもしれない。


なかなかにマニアックな場所にある宿だが、世界各国からたくさんの人々が訪れ、リピーターも多いのだそう。そして、驚くことに多くの方が1週間や2週間など長期で滞在し、のんびりと敷地内で過ごすスタイルなんだとか!それほどまでに心地良く、最高のヒーリングタイムが過ごせる場所ということなのだろう。

実際に訪れてみると、全身で深呼吸したくなる緑豊かな環境や、高地から望む絶景には心が洗われるように心地良く、三和さんが惚れ込んだのも頷ける。ポーランドに訪れるきっかけはいろいろあると思うが、三和昭子さんに会いに、そして絶景を望む居心地の良い宿でボーっと過ごすというのも贅沢な旅になるのではないだろうか。

今回の訪問では滞在時間が短かったので、ぜひまた再訪し、ゆっくり過ごしたり、世界から訪れた人々とのコミュニケーションも楽しみたい。

【Villa AKIKO】
住所:34-434 Debno Harklowa Os.Ariake 1
ホームページ:http://www.akiko.pl/?lang=ja

<取材協力>
ポーランド政府観光局

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