ワルシャワに行ったら訪ねたい!ポーランド文化や歴史に触れられるスポット5選【女子旅:ポーランド】
2024/12/20
2023年に初めて訪れたポーランド。前回は“ポーランドの古都”と呼ばれるクラクフにスポットを当てご紹介しましたが、特集記事【女子旅:ポーランド】第2弾は、首都であるワルシャワやワルシャワ近郊で訪れたスポットや体験についてご紹介します。
第4回目は、ワルシャワ市内やワルシャワ近郊でポーランド文化や歴史に触れられる博物館についてご紹介します。
かつて“北のパリ”と呼ばれたポーランドの首都ワルシャワの旧市街は、まるでタイムスリップしたかのような中世の街並みが残っていますが、実はこの街並みは第2次世界大戦後に復元された形だそう。
第2次世界大戦の際、街は8割以上が破壊されましたが、街並みの復元に立ち上がった市民たちが学生たちが残していた精密なスケッチなどを基に、もともと使用されていた煉瓦は可能な限り再利用するなど、「れんがのひび割れ一つに至るまで」と形容されるほど丹念な修復を行い、現在の美しい街並みを取り戻したのです。
こうして40年もの歳月をかけて見事に再建されたワルシャワ旧市街は、1980年に世界遺産に登録されましたが、再建された市街が世界遺産に登録されたのは世界初です。こうしたワルシャワの歴史や文化を知ることができる博物館がたくさんあります。
歴代のポーランド国王が居住していた宮殿「王宮博物館」
ワルシャワの王子 カジミェシュ1世 以降歴代のポーランド国王が居住していた宮殿で、現在は王家のコレクションを展示するギャラリーやイベント会場として使用されています。
この王宮も1939年に空襲を受けた後、1944年にはドイツ軍に完全に破壊されてしまいますが、広場に立っている王の像と十字架は戦火を逃れ残ったのだそう。破壊されたレンガの破片は再建時に戻されますが、何万点にも上り、ところどころにその様子が見てとれます。(黒くなっているものが戻された破片:上記写真(右下))調度品などは空襲前に外され疎開させていたため、当時のまま戻されるなど、王宮は外装から内装まで全て昔のままに再現されました。
王宮の中には、絢爛豪華なヨーロッパの名匠たちの作品で飾られた室内装飾や国宝級の美術品が展示されており、特にレンブラントの「額縁の中の少女」や「机の前の学者」画は必見です。
【王宮博物館】
所在地:plac Zamkowy 4, 00-277 Warszawa, ポーランド
休館日:月曜日
見学時間:10:00-17:00 ※時期や祝日によって変更あり
日本によるシベリアのポーランド孤児救出の歴史も知れる「シベリア記念博物館」
第二次世界大戦の終戦後、多くの人々が極寒の流刑地“シベリア”で重労働を強いられていました。日本としても、元日本兵や民間人が50万人余り抑留されていましたが、ポーランド人も15万~20万もの人々が、冬になると氷点下70度にもなるという想像しがたい過酷な環境に身を置いていたそうです。
ポーランド人がシベリアに送られた経緯は、ソビエト連邦によるポーランド侵攻で併合された地域の人々が1939年から1941年に強制移送の対象に、1941年5月には、反政府運動をした人たちなど、ソビエト連邦にとって厄介な人たちが送られました。狭い空間に数十人も押し込まれ移送される列車内では、寒さだけでなくチフスなどの病気も流行し、シベリアに向かう途中で捨てられてしまう人たちもいたそう。
この「シベリア記念博物館」では、19世紀後半から第二次世界大戦まで続いたポーランド人に対するシベリア強制移送や労働収容所での生活など、さまざまな資料や展示の仕方で当時の様子や背景、過酷さなどを知ることができます。
今回訪れて初めて知ったのですが、シベリアで親と離ればなれになった760人あまりのポーランド孤児たちが日本によって救出され、日本の地で静養し、祖国へと帰ることができたという歴史があったのです。
ロシア極東のウラジオストクを出発した孤児たちは、当時ウラジオストクから定期航路が開かれていた福井県の敦賀へ到着し、敦賀の人々によって温かいおもてなしを受けます。その後、孤児たちは敦賀を出発し、東京や大阪の収容施設へと向かったそう。こうしたポーランド孤児の救済は1920年から3年間にわたって行われました。
日本人として知っておきたい、ポーランドとの歴史エピソードについても多くの資料と共に展示されているので、ぜひ訪れてみてほしい場所です。
【シベリア記念博物館】
所在地:Węglowa Street 1, ビアウィストック ポーランド
ポーランドで愛されるお酒“ウォッカ”について楽しく知れる「ウォッカ博物館」
ポーランドでは、いろいろな種類のお酒が親しまれていますが、やはり象徴的なのがウォッカ!そんなウォッカのことを、専任ガイドによるツアー形式で楽しく学べ、最後は飲み比べのテイスティングもできる「ウォッカ博物館」も、ぜひ訪れたいスポットです。
ウオッカといえば、アルコール度数が高いので、なかなか飲む機会がなかったのですが、ポーランドのウォッカはものすごく種類が豊富で興味をそそられます。
ウォッカは17世紀にポーランドの食卓に定着し、ビールに次ぐ最も人気のあるアルコール飲料に。すべての社会階層、農民から貴族、王までがウオッカを飲んでいたそう。
ライ麦、小麦などの麦類、またはジャガイモといった穀物から造られますが、特に盛んに作られているのが、ハーブやスパイス、フルーツや香木などで香りづけをした「フレーバード・ウォッカ」で、中でも「ズブロッカ」は大変有名な銘柄です。
世界遺産のビャウォヴィエジャの森から採集され、長寿の薬草として重宝されている「バイソングラス」を漬け込んで造られ、桜餅のような優しい香りとまろやかな飲み口が特徴。ラベルにはジュブル(ヨーロッパ・バイソン)が描かれています。
最新技術を駆使した展示になっているので、視覚的にもとても楽しくウォッカのことを知れて楽しい!そして興味が最高潮に沸いたところで、テイスティングタイム!ライ麦100%で造られ、ポーランドで一番人気の銘柄「Wyborowa(ビボロワ)」などポーランドで代表的なウォッカ4銘柄をテイスティング。
小麦が原料の「OSTOYA」はピリリとしたスパイシーさがある銘柄と、炭を通すことでスムースでスモーキーなアロマティックな銘柄との違いが楽しめたり、じゃがいもが原料の「LUKSUSOWA」はクリーミーでスムース。と、香りや口あたりも違って楽しく、好みの味わいを見つけられるのも嬉しい。博物館内のショップでは、お土産にピッタリなウォッカや雑貨などが揃います。
【ウォッカ博物館(Muzeum Polskiej Wódki)】
所在地:Plac Konesera 1, 03-736 Warszawa, ポーランド
営業時間:日~木11:00~20:30 金・土11:00~21:30
入場料:40zl
地域ごとに受け継がれる音楽や踊りが知れる「ポーランドフォークロアセンター」
首都ワルシャワを擁するポーランド最大の県マゾフシェは、音楽家ショパンが生まれた県で、草原や田園が広がり、政治とはかけ離れ、100年の独立した地域であったため、独特の文化を持っています。
19世紀になって地域の音楽や風習が残るように、ポーランドの民俗学者オスカル・コルベルクによっていろいろな所に記念館などが出来るようになりました。1918年にポーランドが再独立したことをきっかけに、ラジオや映画などでポーランドらしさを大切にするようになり、映画俳優らがポーランドの音楽をどうやって広めていこうか考えるようになります。
こうして、1948年にミラ・ジミンスカ=スィギェティンスカと、タデウシュ・スィギェティンスキにより国立民族歌謡舞踊団「マゾフシェ」が創設され、ワルシャワ近郊カロリンの宮殿でその活動をスタートしました。今ではポーランドで最も有名で、世界でも最も大きな舞踊団となっています。これまでに6大陸70ヶ国訪れ、日本には4回来日し公演しています。
この国立民族歌謡舞踊団「マゾフシェ」の本拠地であるカロリン宮殿の敷地内に「ポーランドフォークロアセンター」が作られ、地元の学校の遠足や大学生、世界からもいろいろな人々が訪れています。
ポーランドには地方に伝わる農民の素朴な踊りからポロネーズまで5つの踊りが軸になっており、各部屋には異なる地域の服装や踊りの映像を見ながら学ぶことができます。それぞれの地方の特性が出ていて、どれもこれも素敵な民族衣装ばかり!また、手工芸品作りや民族舞踊体験のワークショップも行われています。
【ポーランドフォークロアセンター】
所在地:Świerkowa 2, 05-805 Otrębusy, ポーランド
営業時間:火~金曜日、10時00分~17時00分
土・日 土曜日、10時00分~18時00分
定休日:月曜日
素朴で温かみのある、ヤノフ村に伝わる伝統的な絵織物
ポーランドには脈々と引き継がれる伝統的な手芸がありますが、今回も素敵な織物に出会いました。それは、ポーランド東北部に位置する小さな村・ヤノフ村に伝わる伝統的な絵織物です。
18世紀から続くヤノフ村の伝統的な織物は、このエリアの天然羊毛と約100年前の手作りの木製織機を使い、表裏二面の糸を交替、浮沈させて織る「二重織り」という技法で織られています。デザインによって物差しのような板を入れ、糸と入れる場所、糸の色を調整しながら織るため、もし間違えたら一からやり直しだそう・・・。
図案などはなく、そういった作業工程が頭の中に入っているというのだからスゴイですよね。気の遠くなる緻密な作業で、一日に10cmほどしか織れず、大きいタペストリーが完成するまでに1ヶ月ほどかかるそう。
お話を伺ったベルナルダ・ロシチさんは、代々受け継がれた4代目で、60年もの間織り続けており、今では娘さん二人にも受け継がれています。ポドラシェの自然と田舎の生活からインスピレーションを得て生まれた絵柄は素朴で愛らしく、どこか懐かしさも感じられます。
もうどれもこれも素敵な作品ばかりで迷ってしまいますが、使い勝手の良い大きさと柄や色合いが気に入り、ショルダーバッグを購入。ちょうど訪問時に来ていた洋服とベストマッチな色合いだったため、ベルナルダ・ロシチさんが『これは私の作品よ!とても似合っているわよ!』とおっしゃって下さり、旅の良き思い出の1ページに刻まれました。
1000年前の生活様式が再現された「ミレフシュチェズナ文化公園」にあるベルナルダ・ロシチさんの工房には、作品の数々や、デモンストレーションも見学が出来ます。ショップではワークショップが開催されたり、作品を購入することもできます。こちらのショップでは現金のみの決済となるので、多めにズウォティを持参されるのをオススメします。
【Park Kulturowy Korycin - Milewszczyzna】
所在地:Milewszczyzna, 16-140 Korycin ポーランド
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いずれもポーランドについて深く知れるスポットばかり!ポーランドに訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみて下さいね。
<取材協力>
ポーランド政府観光局
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